近代美術シリーズの買取り相場はいくらなの?

近代美術シリーズは、コレクターの間で人気の高い切手です。
このシリーズは第1から第16集まであるので数が非常に多く、各回によって額面も評価額も変わってきます。
近代美術シリーズを売るのなら、まずは買取り相場のチェックです。
「日本切手カタログ」に記載されている額面と評価額を見てみましょう。
※単位は円
- 第1~第8集(額面50)・・・120
- 第9~第16集(額面60)・・・160
- 32種完・・・4,000
近代美術シリーズをバラで売る際の価格はあまり高くはありません。
その理由は発行数が各種数千万枚という規模なので現存数が多く、アンティークとしての価値が薄いからです。
極端に枚数が少ない種類はないので、種類に応じて値段が大きく変わるということはほとんどないでしょう。
その一方で、近代美術シリーズ32種完はコレクション的な価値が生まれるので、それなりに高値で売ることが期待できます。
ただ、32種完の使用済みは960円となっており、未使用と比べて約1/4の値段に下がってしまう可能性があります。
近代美術シリーズをネットオークションで売る場合の買取り相場を調べてみると最高値は32種完の62,300円となっていました。
最安値はバラ切手(第4集の収穫)の使用済みで1円からあります。
使用済みであるのに加えてシミ、ヨレ、破れ、折れなども見られます。
近代美術シリーズを高値で売るのなら、切手への深い知識を持っている切手買取り店に鑑定してもらうのがおすすめです。
無料で査定してくれるので、査定額に満足なら売ることを考えてみると良いでしょう。
近代美術シリーズの特徴を徹底解説
近代美術シリーズは1979~1983年の4年間に渡り発行された特殊切手で、各回2種類ずつ発行されました。
図柄は明治以降の名作が起用されており、美しいデザインからコレクター人気の高いシリーズです。
額面は第1~第8集まで50円、第9集以降は60円に固定されています。
では、どのような作品が近代美術シリーズの図柄に採用されているのかご紹介しましょう。
【第1集(1979.5.30)】
- 狩野芳崖の「悲母観音像」
- 青木繁の「わだつみのいろこの宮」
【第2集(1979.6.25)】
- 速水御舟の「炎舞」
- 萬鉄五郎の「もたれて立つ人」
【第3集(1979.9.21)】
- 菱田春草の「黒き猫図」
- 安井曽太郎の「金蓉」
【第4集(1979.11.22)】

- 村上華岳の「裸婦」
- 浅井忠の「収穫」
【第5集(1980.2.20)】
- 高橋由一の「鮭」
- 小林古径の「阿弥陀堂」
【第6集(1980.5.12)】
- 黒田清輝の「舞子」
- 村上末園の「母子」
【第7集(1980.7.7)】

・藤島武二の「黒扇」
・竹内栖鳳の「アレ夕立に」
【第8集(1980.10.27)】
- 萩原守衛の「女」
- 竹久夢二の「黒船屋」
【第9集(1981.2.26)】
- 岡鹿之助の「雪の発電所」
- 安田靫彦の「飛鳥の春の額田王」
【第10集(1981.6.18)】

- 小出楢重の「Nの家族」
- 福田平八郎の「筍」
【第11集(1981.11.27)】
- 鏑木清方の「一葉」
- 麗子像の「岸田劉生」
【第12集(1982.2.25)】
- 前田青邨の「洞窟の頼朝」
- 佐伯祐三の「テラスの広告」
【第13集(1982.8.5)】

- 岡田三郎助の「あやめの衣」
- 富岡鉄斎の「普陀落山観世音菩薩像」
【第14集(1982.11.24)】
- 棟方志功の「弁財天妃の柵」
- 東郷青児の「サンタンバンク」
【第15集(1983.1.24)】
- 伊東深水の「吹雪」
- 児島善三郎の「雪柳と海芋に波斬の壺」
【第16集(1983.3.10)】

- 横山大観の「無我」
- 高村光雲の「老猿」
このように、近代美術シリーズには近代美術に変革や貢献してきた日本画、洋画家、近代画家、彫刻家の代表作が図案に採用されています。
「裸婦」や「鮭」などは重要文化財にも指定されており、学校の教科書などで使われる作品も多いです。
「阿弥陀堂」は近代美術シリーズの中で唯一建築物を題材にした図柄なので、そういう意味では貴重な種類と言えるでしょう。
近代美術シリーズには他の切手と同じく見本切手があります。
明治、大正、昭和初期のものはそれなりに高い価値がありますが、近代美術シリーズが発行されたあたは比較的新しいため価値が低めです。
そのため、価格は額面以下になる可能性があるので注意しましょう。
また、使用済み切手も大幅に価値は下がりますが、種類によっては数円から数十円の値段がつけられることがあります。
近代美術シリーズを高値で売るコツ
上記で近代美術シリーズの買取り価格をご紹介しましたが、人気は高いものの、他の特殊切手に比べると高く売る事ができない傾向があります。
近代美術シリーズを高値で売るのなら、次のポイントを押さえてみてください。
・良い状態を保つ
切手買取りは見た目も値段に影響を与えます。
保管状況によっても劣化を早めてしまうので、正しく保管して美品状態を維持させましょう。
切手を保管する際は専用のファイルなどに収納することをおすすめします。
紙なので丸まったり、シワになったり、端が折れてしまうことがあるので、ファイルに収納することでそのリスクが軽減されます。
また、水に弱いので湿気の籠もらない場所に保管しましょう。
直射日光が当たる場所も避けてください。
紫外線の影響で切手が色褪せてしまう可能性があるからです。
近代美術シリーズはデザインが魅力なので、変色させないように注意しましょう。
・丁寧に扱う
紙なので力を入れた表紙にダメージを与える可能性があるので、切手は丁寧に扱ってください。
ファイルなどに収納、または取りだす際はピンセットの使用がおすすめです。
素手で手にすると汚れや手脂などが付く原因となるので、それで価値を下げてしまうリスクを回避できます。
ピンセットで強く挟むと、挟んだ跡が出来てしまうので力加減には気を付けてください。
・まとめ売りを検討
近代美術シリーズはバラの価値が低い切手なので20面シートや他の切手と一緒にまとめて売ると高値に期待できます。
他にも不要な切手がある場合は、まとめ売りを検討してみましょう。
・切手買取り店を利用する
切手の価値が分からない所に売ると思わぬ安値をつけられる可能性があります。
近代美術シリーズを高く売るのなら、専門家がいる切手買取り店にみてもらうのが一番です。
宅配査定や訪問による買取りをしているお店も多いので忙しい方にもおすすめです。